生き方の方法論

1.古典に学ぶ方法論

この年になって、経済学についてお話しするとは、考えてもいませんでした。しかし、「生き方」について考えたときに、学生時代に学んだことが過ってきて、今一度、「おさらい」して見ることにしました。
おこがましいですが、カール・マルクス「経済学批判」序説の中で、
「人口からはじめるとすれば、このことは、全体の混沌たる観念となるだろう。そしてより詳細に規定して行くことによって、私は、分析的に次第により単純な概念に達するだろう。観念としてもっている具体的なものから、次第に希薄な抽象的なものに向かって進み、最後に、私は最も単純な諸規定に達するだろう。そこでここから、旅はふたたび逆につづけられて、ついに私はまた人口に達するであろう。しかし、こんどは全体の混沌たる観念におけるものとしてではなく、多くの規定と関係の豊かな全体性としての人口に達するのである。」と書かれています。
これは、一国を経済学的に考察する方法について論じたものです。この方法で現代の物事について考えて見ました。
「土地を耕すと育つ」と言うことを例にとると「土地」は「実存」(実際に存在)していることで「具体」で、「耕す」は実存のきっかけ(変化・発展を起こす要素)となる「抽象」です。この「耕す」の「抽象」は「抽象作用」(具体から、ある特性のみを選択、分離する働き)により「育つ」を見出し、団粒化した「土地」を生む。とする考察です。
自然科学とは異なり、人文科学は目に見えない科学です。言葉一つ一つに意味があり、それを理解し「ものの見方・考え方」を探求するのが哲学の世界です。そして、それを踏まえて経済の仕組みを探求するのが社会科学である経済学の世界です。難しい言葉を使わず私的にかみ砕きながら例を上げ、その方法論について説明していきます。理解として不安はありますが、今の私の理解ですのでお許し頂きたいと思います。

2.「生き方」を考える

定年退職後はどのように生きていくか、真剣に考えさせられたものです。有り余る時間と少ない年金に、僅かな貯金。この先のことを考えると不安が過るからです。何か良い方法はないものか。
と言うことで学生時代に学んだ「方法論」からその答えを探すことにしました。
両親が高齢となって、私ども夫婦が面倒を見ることを前提に住宅の建て替えや老朽建物の取り壊しそして、ガレージの建設を済ませました。後は私どもがUターンで戻った後の生き方の問題でした。
敷地面積約1500坪、これまで、300坪弱の敷地さえも持て余しており、1500坪となると考えただけでもゾッとしたものでした。ガーデニングも観るのはいいが、庭仕事はあまり好きでないというのが正直なとこです。と言って荒らしておくには性格的に許されないのが、まず最初の悩みどこでした。つぎはお金です。悠々自適の年金暮らしは人生100年時代にあっては叶わぬ夢で何とか収入の道を探さなければと言うのがつぎの悩みどこでした。
具体は現実の出発点であり、考察と観念の出発点。第一の道は充実した観念が発散させられて抽象的な規定になり、第二の道は抽象的な諸規定が思惟(しい)の手段で具体となるものを再生産する。加えて「抽象作用」が働かなければ第二の抽象は存在しない。と経済学批判について解説された方がいらっしゃいました。
このことを私にあてはめ考えたのが、この図です。
草花、パン、お金、1500坪、小屋が「現実の出発点」であり、「考察と観念の出発点」です。そして、
第一の道は草花を植栽、パンは道産、お金は資格、1500坪は手入れ、小屋を建築とする「抽象的な規定」になり、
第二の道は「抽象的な諸規定」が「思惟の手段」による「抽象作用」で、草花は宿根草、パンは手づくり、お金は不動産業、1500坪は画像・動画、小屋は事務所という具体の再生産を生み出しました。
このことから、
定年退職後、ウェブクリエイターや手づくりパンの講座を受講。住居(事務所)建設、環境整備を進めてきました。
しかし、不動産業を開業するには事務所の設置が必要要件で、市街化調整区域内での事務所の建築は出来ないなかで、住居の一部を事務所として免許申請すれば良いものの、「事務所」の用途変更に固視したため事業化が叶わずにいました。
「建築」と「仕事」の「抽象作用」で「思惟の手段」が甘かったという事に他なりません。「仕事」から「住居」の「思惟の手段」によって2020年2月免許申請し、19日に許可されたとこです。
私も今年70歳を迎え、やっと思い描いた定年退職後の「生き方」の方向性を見出せたとこです。みなさんも是非、この方法で生きるパワーを漲らせて見ては如何でしょうか。
2020年10月6日記

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